総選挙の結果をどうみるか
選挙がはじまる前は「こんどの総選挙はおもしろい」と誰もが言っていた。「政治改革
」が前国会で実現しなかったことに「国民の怒りが沸騰し」て「うそつき解散」となった
はずの今回の総選挙。しかし、結果は、史上最低の投票率におわった。「政治改革をすす
める」という一般論はすべての候補者が口にしたが、具体的な政治改革の議論はどこへや
ら、選挙前には最大の争点であったはずの選挙制度改革の是非についてもまったくといっ
ていいほど論争にならなかった。PKO、コメの自由化、減税など直面している政策的課
題は多かったが、有権者にとって、いわば「政策的争点のない選挙」となり、どの党がど
ことくっつくかという「政界再編」のみに注目がいってしまった。有権者は、前回の消費
税選挙では「自民党におきゅうをすえる」積極的な投票行動にでたが、今回は、棄権と「
新党」支持・社会党離れという形でしか、「政治不信」を表わさなかった。
自民党は分裂から「過半数割れ」が当然予想されていたが、「逆風」の中、現状維持に
とどまったのは、利益誘導・地元へのサービスを競い合う、争点のない選挙になれば、鹿
児島の三つの選挙区の結果がしめすように、とくに地方では自民党は強かった。新生党は
、自民党型の「地元の利益優先」と自民党を割った「新党」という「二つの顔」をもって
いた。その両方が相乗して、今回の躍進につながった。
一区での「共倒れ」が象徴的だったが、社会党の大敗は、支持団体の労組の力量の低下
もあるが、社会党らしい政策的争点の提示に失敗してしまったことが敗因。「非自民の連
立政権」構想も、自民党政権から「国の政策は承継する」と山花委員長が発言したとき、
すでに敗北を宣言したようなものだった。社会党がイギリスにならって、「影の内閣」(
シャドー・キャビネット)をつくったのは、まさに今回のような事態になったときに、自
民党に変わるべき政権構想をただちに国民にしめすためではなかったか。社会党が、たと
えば「消費税の改定」「PKOの見直し」「憲法の擁護」などを掲げて、「この指とまれ
」と各党に示せば、有権者の政治的関心もおおきくことなっていたのではないか。
今回の「新党ブーム」の主役=新生党・さきがけ・日本新党は、自民党を出た、あるい
は新しく党をつくったという行動(パフォーマンス)が支持された。印象的にいえば、「
テレビによくでた」ことが勝因か。新自由クの轍をふむことになるか、「新党」の真価が
今後問われることになる。
今回の総選挙の結果、自民・社会対立の「五五年体制」はたしかに崩れ、「一強八弱」
の「連立」時代に突入することになった。非自民連立政権ができるのか、少数与党政権と
なるか、それとも、自民党の「再分裂」があるのか、予断をゆるさないが、政策ぬきで、
裏での取引による「連立」がなされるとしたら、「野合」のそしりをうけることになる。