12  「政治改革」はなにをもたらしたか?

 日本国憲法は第42条で「国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する」と

して、それぞれ任期を衆議院4年(45条)、参議院は6年(46条)と定めている。そ

して、「両議院の議員の定数」「議員および選挙人の資格」「選挙区、投票の方法そ

の他両議院の議員の選挙に関する事項」については法律で定める、としている。この

法律が公職選挙法(略して公選法)である。だから、選挙制度や選挙権を具体的に定

める公選法は法律とはいえ、その重要さは憲法そのものに負けないといってもよい。

 しばしば問題となってきたのは、この選挙制度をどうするかということだった。19

82年には、選挙にお金がかかりすぎるからということを主な理由にして、参議院でそ

れまでの全国区を拘束名簿式比例代表制に改める改正が行われた。そして、94年の「

政治改革」法により、衆議院の選挙制度が、小選挙区比例代表並立制に変わった。一

つの選挙区で3〜5の当選者をだす中選挙区制度では、同じ政党のなかで対立候補が

出て派閥争いにつながるからとか、イギリスの例をもってきて二大政党の間で政権交

代がしやすくなるとか推進者は主張したが、「死票」が多数でる、少数政党が議席を

もつことがむずかしくなる、などの問題も指摘されている。衆議院の議席のうち4割

を比例代表としたが、全国を11のブロックに分けたので、ますます少数政党にはきび

しい条件がつくことになってしまった。

 「政界再編」のもくろみと結びついて主張された、この「政治改革」は政治に何を

もたらしたか。イギリスのような「健全な二大政党が生まれて、政権交代が活発化す

る」などと主張された。しかし。96年総選挙の結果からは、大政党がますます肥大化

し、現職議員がこれまで以上に有利になり、政治勢力が固定化した、など否定的なも

のでしかなかった。

 1925年に男性25歳以上の普通選挙権を、そして1945年には女性も選挙権を獲得し、

20歳以上の男女すべての国民は選挙権をもつ(受刑者などは制限されるが)。最近で

は、世界の趨勢に合わせて、18歳まで選挙権を拡大しようという声も大きくなってき

ているし、「国際化の時代」を迎えて、外国人の選挙権の課題も提起されるようにな

った(ヨー日ツバでは、地方議会ですでに外国人の選挙権・被選挙権が認められてい

る国もある)、とくにわが国では、定住外国人とよばれている人々は日本国民とまっ

たく違わない生活基盤なのだから、選挙権があって当然といえよう。