19 「地方の時代」の真相一故郷に帰って
私「久しぶりで故郷に帰ってきて、のんぴりできてよかったよ」
友人(町役場につとめる)「まあ都会にない静けさだけがとりえかな。でも、この町
もこのところ過疎の傾向で人口がへっているんだ」
私「『地方の時代』とかで、地方が見直されていると新聞には書いてあったが」
友人「ううん、そこが難しいところなんだ・今、地方自治体がその町に合った、なん
らかの事業をやろうとしても、なかなかできない。まず金がない」
私「固定資産税のような地方税があるだろう?」
友人「確かに地方税があり、国から回ってくる地方交付金や地方譲与税もあるけれど
、独自の財源はこれだけで、全財源の三分の一くらいだ。残りは、国の補助金や
らなにやらで『ひもつき』というわけさ」
私「そこから『三割自冶』という言葉が生まれてきたんだね」
友人「それから機関委任事務、国が行なう事業を肩替わりしている格好だから・手間
も掛かるし、金もいる」
私「『行政改革』で、この整理が提唱されているね」
友人「あの提言も表面的にはいいことを言っているみたいだけど、よく検討してみる
と、地方がいうことを聞かない場合には、国が自分で執行してしまうというんだ
からによる地方の締め付けといえなくもない」
私「そういえば、川の上流に発電所ができるようだね・きれいな川だったが。底に沈
む家はむりやり移転ということか。これでは何のための開発だろうか?暮らしや
すい町をつくることが願いなのに。」
友人「そんなことわかっているさ、でも、こんな過疎の村が生き延びていくには、こ
ういう発電所でも造って税収入を得なくてはね」
私「この町でも、開発派と反対派が争っているのか?」
友人「開発を主張するひとは、県に陳情したり・国会議員にたのんだりしている。オ
レも町長の付き添いで十月に東京に行ってきたんだ」
私「中央に気をつかわなくては町は良くならない。これでは憲法にいう『地方自治の
本旨』とあまりに違いすぎないか?」
友人「憲法にもとづいて、どこをどう変えたらよいのか、考えるときだな、今は」